Kazuhiro Takagi Violinist

© Photo by Takeshi Yagi

CONCERT CALENDAR

いずみシンフォニエッタ大阪 第38回定期演奏会 「満喫!楽聖ベートーヴェン」

いつ:
2017年2月11日 @ 4:00 PM – 6:00 PM
2017-02-11T16:00:00+09:00
2017-02-11T18:00:00+09:00
どこで:
いずみホール
日本
〒540-0001 大阪府大阪市中央区城見1丁目4−70
料金:
一般=¥5,000 学生=¥1,000
連絡先:
いずみホール
06-6944-2828(代表)
●出演者
飯森範親(指揮)
若林 顕(ピアノ)
いずみシンフォニエッタ大阪
●演奏曲目
シュネーベル:ベートーヴェン・シンフォニー(1985)
ベートーヴェン:大フーガ 変ロ長調 op.133 【弦楽合奏版・川島素晴編曲】
西村 朗:ベートーヴェンの8つの交響曲による小交響曲(2007)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 op.73 《皇帝》 【いずみシンフォニエッタ大阪版・川島素晴編曲】
●料金
一般=¥5,000 学生=¥1,000
●発売日
フレンズ:2017年9月30日/一般:2017年10月7日
●お問合わせ
いずみホール チケットセンター 06-6944-1188
聴きどころ
「ベートーヴェンは凄いぞ‥‥」を斬新な切りくちでお届けするコンサート!凄腕揃いの室内オーケストラ、いずみシンフォニエッタ大阪の第38回定期演奏会は、かの巨匠の傑作たちを煮たり焼いたりさばいたり‥‥他ではちょっと聴けない料理で味わっていただきます。
まずは音楽監督・西村朗が当団のために書いた〈ベートーヴェンの8つの交響曲による小交響曲〉は、巨匠の交響曲たちを自由に引用してつなぎ合わせた短いシンフォニー。〈第九〉への序曲代わりに書かれたこともあって、お料理するのは第8番までとなりますが、ときには原曲のまま、あるいは化けて出たように登場したり‥‥思わず笑ってしまったところで、晩年の傑作〈大フーガ 変ロ長調〉のぶっ飛んだ天才ぶりをじっくりと。同じメロディが呼び交わしあい、豊かな重なりが音宇宙を広げるフーガの奇蹟‥‥堅いかたちを壊さないのに奔放な発展を魅せる強烈な個性は、当時の聴衆を面食らわせたそうですが、冴え抜いた着想はいまも斬新!当団プログラムアドヴァイザー・川島素晴が弦楽合奏用に編曲、厚みあるアンサンブルの迫力で味わい尽くします。
かたや、ドイツの作曲家シュネーベルが書いた〈ベートーヴェン・シンフォニー〉の破壊力!交響曲第5番(いわゆる《運命》)第1楽章を演奏しているのですが、フレーズの歌いかたから響きのつくりかたから楽器編成から音色から、徹底して原曲の真逆をとり続けてゆくと‥‥ベートーヴェンなのにベートーヴェンじゃない!いやベートーヴェンじゃないのにベートーヴェンなのか!? 時空を超えた対話が感覚をぐにゃりと曲げるような新たな “体験” 、ぜひ生で味わっていただきたい驚きです。
そして最後はピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調《皇帝》を、強靱な技巧と緻密な感性を美しく響かせる名手・若林顕を独奏に迎えて。いずみシンフォニエッタ大阪の小編成ならではの瑞々しく生きる表現力と共に、堂々たる傑作の隅まで光をあて直してゆく幸福な時間‥‥常任指揮者・飯森範親の古典から現代まで視野広くしなやかな才能が、ベートーヴェンの多彩な変貌をしっかりたっぷりお届けする定期演奏会、お聴きのがしなく!
山野雄大(音楽ライター)
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